守秘義務

家族理論を臨床の場にいかす上で大切な、「家族療法の守秘義務」に関して考えてみましょう。

■ 家族療法の守秘義務

家族療法家に求められる守秘の原則は、治療の過程で入手した情報を明らかにしてはならないということである。

しかし、その例外として次の場合がある。1)児童虐待、高齢者虐待、DVといった法的規定に触れるとき。2)クライアントの自傷を防ぐ、あるいは他人に重大な、予想しうる、切迫した危害が及ぶのを防ぐために必要なとき。3)法定伝染病罹患者であるとき。

状況によっては、個人を助ける介入のほうが、システムとしての家族の目標よりも重要である。守秘を維持しない選択をする場合、セラピストは自分のとった行動を記録し、選択の根拠を説明できるようにしておくことも大切である。

以上のように、セラピストの守秘義務はクライアントと解決への作業をしていくうえで不可欠であると同時に、それはけっして絶対的なものではない。

セラピストは治療開始時に守秘義務に対する法的規制があり、どのような状況ではそれが破られることになるかもしれないかなど、守秘義務に関する治療者側のポリシーを知らせ、話し合っておくことが望ましい。

セラピストの独断で破るのではなく、守秘を破るプロセスをクライアントと共有する努力が不可欠である。


家族理論はユニークで楽しくなる考え方です。焦らずに一つずつマスターしていきましょう。